家から飛騨金山までサイクリングしてきました。今年はスキーに今ひとつ力が入らず身体はなまるばかり。運動不足解消のつもりで20Kmと40Km程のコースを走って、否、ブラブラしてみたのですが、これがおもしろい!
サイクリングなんて小学生以来です。
今までMTBといえば2〜4時間担いで山に登り、命がけで(私だけです)山を下っていました。好きな所を好きなように走り、嫌になったら帰ってくればいい。自転車のごく普通の楽しみ方を忘れていました。MTBのゴツゴツしたイボイボタイヤでも意外と走れます。

「飛騨高山まで自転車で走りたい!」 素直にそう思いました。ただどれほどのものか想像がつきません。

高山まで150Km、その中間点になる飛騨金山まで70km。試しに金山まで走ってみることにしました。

AM. 7:45 岐阜市出発。
長良川沿いに北上、東海北陸道関IC前を通過し1時間ほどで関市へ。
コンビニで行動食を買い小休止。

AM. 9:00 東海北陸道「富加・関IC」前通過。 力むこともなく順調な走りが続きます。

AM. 9:50 道の駅「平成」着。 小休止。
ここまで車に追い越される時が怖くて、出来る限り車道を走らないようにしてきました。
車道と大差ないと思っていましたが、やはり車道の方がスムースです。
ここからは勇気を出して車道を行くことにしました。

AM. 10:50 
関市ー金山町境界線付近でパンク修理。

パンクした時のゴツゴツ感が無く、気が付かないまま小さな峠(北条峠でした)を登ってしまいました。
峠を登る少し前、タイヤに5mm位の小さな石片が音を立て出し払い落としたのですが、まさかチューブまで届いていたとは・・・。久し振りのパンク修理に手間取り大汗をかいてしまいました。もう一度手順を確認しておかねばと、手際の悪さを痛感。

登りでは大したことはないのですが、自転車は平坦な走りで大いに威力を発揮します。ゆっくりマイペースで走っていても意外と距離が出ています。マー君が昨年ロードレーサーを始め私に勧めてくれたのですが、その面白さが少しだけ分かった気がします。

PM. 12:30 JR金山駅着。
まあまあのペースで走ることが出来ました。余裕があれば帰りも自転車で走ろうと思っていましたが、今日は午後から雨の天気予報です。初めての遠乗りが過酷なものにならぬ内に終了することにしました。
ここから高山まであと80km。道は登りがちとなり、宮峠という大登りが待ちかまえています。しかし一日かけて走れば何とかなりそうに思えました。

途中一台のロードレーサーに追い越されました。軽く走っているように見えましたが、私の五割増しのスピード。見るゝ離されていきました。あの自転車ならば確実に高山まで走れそうに思えます。でも貧弱な太股の私には不似合いに思えました。金山駅で帰りの列車のキップを買い腹ごしらえに向かいました。

 金山に来たら、蕎麦の「おゝふくや」さんです。
店内には、あまごの剥製というのか半身にしたものが二匹額に入れてあります。 尺五寸か? 40センチは楽にありそうです。
何と言っても「あまご」ですぞ!
これを見るだけでも来る価値はあります。
いつも思うのですが、厨房はとても静かです。
いっさい私語はありません。ただあるのはお客さんへの挨拶だけです。
「わずかな狂いも許さない」といった厳しさを感じます。
決して悪口ではありませんが、女将さんも無口で注文とお勘定以外に声を聞いたことがありません。しかし今日、初めて声を掛けられました。
「これからどちらへ行くのですか?」
「もう金山駅から電車に乗って岐阜へ帰るだけですよ。」
「自転車で岐阜から?」
「ええ、途中パンクして焦りました。」

私が大音量で蕎麦をすすった為か? わずかな言葉のやり取りに思いがけず嬉しくなりました。

さて、金山駅に戻って輪行の準備です。
輪行も久し振りなので、パッキングに手間取りました。
小さく格好良くバッグに入れるには、もっとバラさないといけません。今回外しませんでしたが、ハンドルバーとペダルをバラしてやるとかなり格好良く、抱えても扱いやすいように思えます。次回スムースに出来るよう段取りを考えておいた方が良さそうです。
14:51
特急ワイドビューひだ10号飛騨金山駅にて乗車。
車両の最後部に指定席を取り、背もたれの後ろに輪行バッグを差し込もうと考えていたのですが、横の席の女性がすでに旅行鞄を置いていて自転車など入る余裕はありません。1時間足らずのこと、それに自分の汗臭さも気になります。買った座席指定券を諦めてデッキで輪行バッグの守をする事にしました。 この時改めて思ったのですが、もっと小さくパッキングしなければいけません。列車は空いていてデッキに人はおらず安気でいたのですが、輪行バッグは通路にはみ出してしまいます。このボリュームは問題です。トイレに行く人や車内販売のワゴンが通るたびにバッグを抱えました。
やがてキップの検閲に回ってきた車掌さんが、後ろの車両の最前部に収納スペースがあり、そこへ自転車を入れ後ろの席に座れると教えてくれました。
オマガァ"ー! きっと私の指定席車両の最前部にも収納スペースがあったに違いありません。
旅慣れていないとこんなもんです。
いぶかしく私のキップを眺めていた車掌さんは、何も言わなくても心配してこんな事を考えてくれたのだ! とても嬉しくなりました。ありがたく指示に従います。
今日言葉を交わしたのは蕎麦屋の女将さん、
飛騨金山駅の駅長(?)さん、(荷物の自転車を心配して大変親切に座席を探してくれました)
特急ひだ10号の車掌さんの三人だけです。
日帰りの小さな旅でしたが、人のおもいやりを感じ満ちたりた一日でした。
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